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刑事裁判に被害者の参加や意見陳述を認める被害者参加制度

 被害者参加制度とは,刑事裁判において犯罪の被害者に一定の地位を与えて参加を認め,意見陳述等を行うことを許可する制度です。平成19年に立法化されました。近年,裁判員裁判で注目を集めている刑事裁判ですが,最近は徐々にこの被害者参加制度の活用も目立ってきました。
 被害者参加制度の意義を理解するためには従来の刑事裁判の基本構造をおさらいすることから始める必要があります。
 刑事裁判の基本構造は,検察官が訴追を行い,被告人・弁護人がそれを防御し,裁判官が判断を下すという三面構造になっております。過去には,煮えたぎったお湯に手を入れてやけどの具合で有罪か無罪かを占うといったいわゆる神判などもありましたが,誤判を防ぎ,適切な刑罰を与えるという刑事裁判の目的に適うものとして長い歴史の中で試行錯誤の末にたどり着いた形が現在の三面構造です。しかし,お気づきのようにここでは被害者は当事者としての地位は与えられておりません。結果として被害者は供述書や証言を通し「証拠」としての扱いしか刑事裁判の中で受けられず,せいぜい被害者には裁判所のはからいで裁判当日に座席が確保される程度であり,被害者に疎外感を与える要因となっておりました。
 そこで,従来の基本構造を維持しつつ,平成19年に被害者の刑事裁判への参加を認めるという法改正がなされ,平成20年12月1日より運用が開始されました。平成19年には併せて損害賠償命令の制度も創設され,両制度が併用される事件も少しずつ増えてきているようです。
 被害者参加が認められる対象犯罪は,殺人,傷害,強盗致死傷,強制わいせつ,強姦,業務上過失致死傷,自動車運転過失致死傷,逮捕,監禁,略取誘拐,人身売買などです。
 参加の申出は,検察官に対して行い,裁判所の許可を得るという手順を踏みます。弁護士にサポートを依頼することも制度的に可能であり,参加の申出前から弁護士に相談しておくと良いでしょう。
 被害者参加人には,公判期日への出席,検察官の権限行使に関し意見を述べること,証人の尋問を行うこと,被告人に質問を行うこと,事実や法律の適用について意見を述べることなどが認められています。ただし,裁判所の許可を要する場合などがあり一定の制約はあります。
 また,被害者参加制度とは別ですが,被害に関する心情等を公判廷で述べることもできます。
 このように刑事裁判において,被害者さえ望むのであれば検察官の隣に座ることも可能となり,裁判に参加できるようになりました。
 しかし,前述した刑事裁判の基本構造から証人に尋問できる事項などに細かい法律上の制約があり,思うようにいかないことも少なくなく,心に傷を抱える被害者にとっての心理的負担は軽くはありません。
 被害者参加をお考えの場合には当事務所までご相談ください。

 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 加藤泰

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